06ちょっとお出かけ

2006.06.03

湯西川温泉は平家落人伝説の里として古くから知られている。
その伝説とは、壇ノ浦の戦いで敗れた平家の重盛の息子　平忠実は、家臣の平貞能と共に宇都宮の藤原朝綱のもとへ落ちのびた。しかし、平家追討令は更に厳しくなり一族は鷄頂山へとさらに落ちのび身を隠して生活していた。一族の婦人が男子を出産し、皆は不遇の内にあっても喜ばしいことであり、せめて端午の節句の幟だけでもと残り布を合わせて幟を作り立てたが、このことで源氏方に見つかり一族の多くのものが深傷を負い、平貞能は塩原へ平忠実は湯西川へ逃れ安住の地とした。
以来、現在でも湯西川では鯉のぼりは揚げず時を告げる鶏も飼わないとのことだ。
また、平忠実は川岸を散策しているとき、温泉が湧き出ているのを発見。ここなら、子孫の誰かが掘り起こすであろうと由緒伝来の宝物、武具、甲冑、金の延べ棒などを密かに埋めその後も温泉発見のことは誰にも知らせなかった。　後の天正元年、雪が降っても積もらないことから､温泉が湧き出ていることを知り掘り起こして､沢山の宝物が発見されたという。



湯西川温泉では、毎年6月5日から7日まで『平家大祭』が開催され、「平家絵巻行列」「蘭陵王の舞」山伏の「火渡り式」などが行われる。
今年は月曜日から水曜日ということで見ることができないのは残念だが、7月下旬『夏の夜の横笛の調べ』と題し、ろうそくの明かりの中、横笛の鑑賞ができるそうだ。